川柳名句に学ぶ 「10」
           平成27年2月

◎ 暮らしの中から生まれ、詠まれた川柳   その4

  ☆ 川柳の三要素
    「可笑しみ」「穿ち」「軽み」の三要素から成り立っている文芸
     と言われているが実際には「人間味」「悲しみ」     

  ☆ ユーモア川柳とは、上品なおかしみを持った川柳

  ☆ 笑いを代表する昭和の関西の御三家の作品

◎ 『 ユーモア川柳 』

  ○ 延原句沙弥 (のぶはら・くしゃみ)

      知っている名前が喉でひっかかり
      聴診器女の肌に輪を残し
      ゴールインするひどい顔写される
      茹で玉子きれいにむいてから落とし
      急ぐのに前が千円札を出し  

  ○ 須崎豆秋  (すざき・とうしゅう)

      病人へみんなたかって嘘を言い
      夕暮れの雲うまそうな色になり
      啄木でなけれどヂット手を見るよ
      偉い人だったがやはり灰になり
      金歯でも抜こうかというところまで

  ○ 高橋散二  (たかはし・さんじ)

      しまいかと思えば続くベートーベン
      招き猫奥では店を売る話
      ご提案がなければ酒にする会議
      美しい水が流れて村貧し
      一枚の辞令で自炊させられる
      もう少しすると鼾をかく寝顔