☆ 小説家 田辺聖子の人生あまから川柳を読んで 1
ユーモアあふれる小説で知られる作家 田辺聖子さんが
「川柳には人生の機知が詰まっている。覚えて使いこな
したら元気になれる」
明治から現代までの100句を選び、田辺さんの軽妙な
文章で解説している。
☆ 「暮らし」 「人生」 「女」 「男」 「家族」 「夫婦」
に分けて川柳を拾っている。今回は「暮らし」・「人生」
「女」を拾う。
☆ 「暮らし」
このご恩は忘れませんと寄りつかず 桂 凡
鍵かけて出るほど暮らしよくならず 冬 二
かかるときポンと出した金がない 伊知呂
「人生」
手をはなしやSの字になる酔っ払い 三太郎
なんぼでもあるぞと滝の水はおち 五 健
酔っ払い真理を一ついってのけ 水 府
「女」
誰がいうてましたと女立ち上がり 砂 人
いじめ甲斐ある人を待つ胡瓜もみ 良 子
あの時の恋は良かった角砂糖 水 府
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