☆ 小説家 田辺聖子の人生あまから川柳を読んで 2
ユーモアあふれる小説で知られる作家 田辺聖子さんが
「川柳には人生の機知が詰まっている。覚えて使いこな
したら元気になれる」
今回は「男」「家族」「夫婦」の中から作品を拾います。
☆ 聖子さんは「川柳は物優さ知り、酸いも甘いもかみ分け
た大人のための文学。好きな句を覚えて、つらいことが
あった時こそ、何度も思い出してほしい」
☆ 「男」
貧しさもあまりの果ては笑い合い 雛子郎
部分品がもうおまへんと言われそう 路郎
四十年かかって酒は毒と知る 水府
「家族」
叱られて寝る子が閉めてゆく襖 愛日
貧乏を子もうすうすは知っている 三太郎
順々に泣かせ小児科やっと昼 祝平
「夫婦」
あの人と出たら帰って来ますまい 南北
差し向かい又金の要る話なり 水府
一人去り二人去り仏と二人 信子
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