川柳名句に学ぶ 「37」
           平成29年7月

      

 ☆  小説家 田辺聖子の人生あまから川柳を読んで 2

    ユーモアあふれる小説で知られる作家 田辺聖子さんが
    「川柳には人生の機知が詰まっている。覚えて使いこな
    したら元気になれる」
    今回は「男」「家族」「夫婦」の中から作品を拾います。

 ☆  聖子さんは「川柳は物優さ知り、酸いも甘いもかみ分け
    た大人のための文学。好きな句を覚えて、つらいことが
    あった時こそ、何度も思い出してほしい」


 ☆  「男」
       貧しさもあまりの果ては笑い合い     雛子郎

       部分品がもうおまへんと言われそう     路郎

       四十年かかって酒は毒と知る        水府

    「家族」
       叱られて寝る子が閉めてゆく襖       愛日

       貧乏を子もうすうすは知っている     三太郎

       順々に泣かせ小児科やっと昼        祝平

    「夫婦」
       あの人と出たら帰って来ますまい      南北

       差し向かい又金の要る話なり        水府

       一人去り二人去り仏と二人         信子