川柳名句に学ぶ 「53」
 平成30年12月




☆  川柳と闘い、川柳に命を賭けた男

   北海道の川柳を切り開いた

     斎藤 大雄(さいとう・だいゆう)NO.1


   川柳を愛し、川柳のために命を削り、川柳とともに走り続けた

   信念と行動の男。厳しさの間から出す彼の笑顔に虜になった川柳

   人は多い。情念の川柳、現代大衆川柳論を語った人でもあった。


☆  昭和8年北海道札幌市生れ 北海道大学卒業

   昭和33年札幌川柳社創立

   平成3年北海道川柳作家連盟会長

   平成20年6月 75才で逝去


☆  自分の川柳論として

     ◎現代大衆川柳の三要素は、1平易性、2共通性、3娯楽性

     ◎川柳は大衆のための文学とするには「物語性と描写」が必要


☆  大雄の作品

      人間が好きで失恋ばかりする

      手で囲うマッチいのちの音で燃え

      愛ひとついのちがひとつ やがて墓

      少し好きたくさん好きでおともだち

      来る来ない花びら二つだけ残る

      酒ほろろ雪に転んで雪となる

      人間がまん中にいる猛吹雪  (句碑)

      天地指す御仏の指ためらわず (句碑)

      母がくれたいのちだ抱いて寝る(辞世)