川柳名句に学ぶ 「59」
 令和元年7月




☆  柳誌「番傘」全国の川柳吟社で一番大きな大阪市にある、

   番傘川柳本社の五代目主幹の田中新一さんの、川柳句集

   『生きる』の中から作品を見ていきます。


☆  番傘川柳本社は、川柳六大作家の一人 岸田水府さんが大賞2年に

   大阪で番傘川柳本社を創立されました

   水府さんは昭和40年8月亡くなられ、その後二代目主幹に近江砂

   人さん、三代目に水府さんの弟、岸本吟一さん、四代目に磯野いさ

   むさん、そして今五代目として田中新一さんが継いでいます。


☆  田中新一さんは、全日本川柳協会の常務理事、朝日新聞社柳壇撰者、

   大阪樟蔭女子大学講師、大阪文学振興会運営委員

   昭和20年10月生まれ



☆  『生きる』からの作品

      生きてゆく力が闇を抜けてくる

      父の本ひらけば父の匂いする

      笑ったら妻が笑って子が笑う

      しゃぼん玉いのちの事に触れてくる

      夕焼けのあたりで父がこだまする

      あやとりの橋を渡って母が来る

      お一人様一回限りといういのち

      人間を続ける薬飲んでいる