☆ 柳誌「番傘」全国の川柳吟社で一番大きな大阪市にある、
番傘川柳本社の五代目主幹の田中新一さんの、川柳句集
『生きる』の中から作品を見ていきます。
☆ 番傘川柳本社は、川柳六大作家の一人 岸田水府さんが大賞2年に
大阪で番傘川柳本社を創立されました
水府さんは昭和40年8月亡くなられ、その後二代目主幹に近江砂
人さん、三代目に水府さんの弟、岸本吟一さん、四代目に磯野いさ
むさん、そして今五代目として田中新一さんが継いでいます。
☆ 田中新一さんは、全日本川柳協会の常務理事、朝日新聞社柳壇撰者、
大阪樟蔭女子大学講師、大阪文学振興会運営委員
昭和20年10月生まれ
☆ 『生きる』からの作品
生きてゆく力が闇を抜けてくる
父の本ひらけば父の匂いする
笑ったら妻が笑って子が笑う
しゃぼん玉いのちの事に触れてくる
夕焼けのあたりで父がこだまする
あやとりの橋を渡って母が来る
お一人様一回限りといういのち
人間を続ける薬飲んでいる
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