☆ 『 水暦 』の句集を出した、新潟県の十日町市にお住まいの
松田ていこさんの作品を見て行きます。
この句集は全日本川柳協会の文学賞準賞を受賞した句集です。
☆ 松田ていこさんは、1945年生まれで十日町市にある十日町
川柳研究社の主幹をされています。
十日町新聞の柳壇の選者をされています。
☆ ていこさんは、「私の作品は多くが愛と抒情で成り立っており
ます」また「たましいの奥へ奥へ」と鈴を振りながら一つまた
一つと、内なる炎を解き放つようにいのちの扉をひらいてゆく
のでした
☆ ていこの作品
子守唄きこえる花のあたりから
哀しみの窓に添いくる花明り
さくらさくらいつか影絵になるさくら
水かがみ亡母と相似の炎を揺らす
下駄箱の奥で静かに亡母の下駄
森深くしずかな亡父の樹に出会う
たましいの奥へ奥へと鈴をふる
しんしんと胸のくぼみに積もる雪
雪分けてわけて一つの炎をはこぶ
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