アトピー性皮膚炎
2004年3月18日(木)
ガサガサ、カイカイ、アトピー性皮膚炎

     診療所の待合室にいつものように、わがままおやじの姿があった。
いちご 「わがままおやじさん、診察室1番へお入りください」
おやじ 「ホーイ、ホイ」・・・あいかわらずである。
いちご 「おじさん、どうしたの?」
おやじ 「あのさぁ、あれ、あれ、あれなんだけどさぁ」
いちご 「あれ、あれってなんですか?」
おやじ 「あれだよ、あれっ。わかんねえかなぁ、アトピーだよ、アトピー」
クラーク「ホォ〜ホホホォ、私は綺麗、美しい。おじさま、アトピーには、見えなくってよ」
いちご 「コォ〜オトでは〜・・・エースをねらえ!のお蝶婦人みたい」
おやじ 「ちょっと!真面目にやってよ、岡!」
クラーク「そうよ、ひろみ!真面目になさい」

先生  「ストップ!はい、冗談は、そこまで!。おやじさん、アトピーがどうしたんですか?」
おやじ 「最近、うちのお客さんで、アトピーの子たちが多くてねぇ、みてるとかわいそうになっちゃうんだよ」
先生  「そうですね、他の人には、アトピーの人達の苦しみはなかなかわかってもらえないと、おもいますよ」
おやじ 「なんで、あんな病気があるんかね?」

先生  「今回は、アトピー性皮膚炎について話しましょう」
     「アトピー性皮膚炎は乳幼児期に始まることが多く、よくなったり、悪くなったりをくり返しながら長期間続く皮膚炎で、症状は痒みのある湿疹が中心です。原因には体質的なものと環境的なものとが絡んでいると考えられていますが、まだ詳細はわかっていません。(アトピー素因、アトピー体質)という遺伝的に痒みを起こしやすい体質の人が、さまざまな(アレルゲン、抗原)と機械的刺激に曝された時に起こる皮膚炎であると考えられていますが、その原因やメカニズムは、まだ充分にはわかっていません。悪化の原因として、ストレスなどの精神的要因もあげられています」

先生  「喘息、アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎など他のアレルギー疾患が同時に見られることが多いです。アトピー性皮膚炎は、世界的にも、日本国内でも増加傾向にあります。治療効果をみながら、注意深く、根気強く治療する必要があります」

先生  「チリダニのアレルギーや、カビのアレルギー、時にはペットのアレルギーが関与する皮膚炎がありますので、これらの対策は忘れてはなりません」

先生  「直接接触するふとんの手入れはとくに念入りに行いましょう。ダニやカビ対策の基本は換気を良くすること、湿度を上げ過ぎない(相対湿度60%以下)こと、ほこりをためやすい条件(家具をたくさん置くこと、じゅうたん、ソファー、ぬいぐるみなど)を極力少なくすることなどです」

先生  「犬・猫・小鳥などのペットは、それ自身がアレルギーの原因になるばかりでなく、ダニを増やす原因もなるので避けるべきでしょう。また、鉢植えの観葉植物などは湿度を上げるばかりか、土壌が細菌やカビの恰好な増殖場所になるので、室内では極力ひかえることも必要です」

注)いちご「先生は、明日から学会に出席で不在ため、診療日記は明日は、お休みさせていただきます。このお話の続きは来週になります。よろしくお願いいたします。では、また来週、皆様と、お会いできる日を、スタッフ一同楽しみにしています」

2004年3月22日(月)
アトピー性皮膚炎 PartU


おやじ 「アトピー性皮膚炎の原因は、何とかわかったけど・・・おらたち、何に気をつければいいんだい?」
いちご 「だからぁ〜、清潔に気をつけなさいって事でしょう」

先生  「皮膚が常に刺激される状態にあると、痒みを感じます。痒くなれば、その部分を掻いてしまい、それが刺激となってさらに痒くなります。掻くことによって皮膚が傷つけられると、アレルゲンが皮膚から入ってきやすくなるため、アレルギーの面からも悪化の要因となり、さらに湿疹が悪化するという悪循環に陥ってしまいます。刺激のもとは、髪の毛や毛糸のセーターなどの他に、直接皮膚につくシャンプーや石鹸、香水などの化粧品類、汗、よだれや食べこぼしなどがあげられます」

先生  「精神的なストレスや生活リズムの乱れ、食習慣の極端な偏りなども、悪化の原因となることがあります」
おやじ 「なんだか、難しい病気だなぁ、それでどんな症状が、多いんだい?」

先生  「典型的なアトピー性皮膚炎では、痒みのある湿疹が、おでこ、目・耳・口のまわり、唇、首、手足の関節の内側、胴体などに左右対称にみられます。症状が出現するのは、早い例では生後2〜6ヶ月ですが、1歳、4〜5歳、学童期、思春期になって始まることもあるんですよ」

おやじ 「アトピーってのは、子供の病気じゃないんかい?」
先生  「最近は成人になってから症状がでてくる人もいます。1歳未満で発症して、成人期まで続くこともあります。成人期のアトピー性皮膚炎は、特に成人型アトピー性皮膚炎とよばれます」

おやじ 「大人のアトピーって、結構多いみたいだな、おらんとこのお客さんも子供ったって、大学生だもんなぁ」
いちご 「じゃあ、先生、どうすれば症状の悪化を防げるんですか?」
おやじ 「おらも、それ聞きてぇ」

先生  「アトピー性皮膚炎の原因として、今一番重要視されているのは、皮膚の乾燥です」
おやじ 「海藻?」
いちご 「乾燥、海藻じゃないよ、おじさん」
おやじ 「おら、青中だ。乾燥って作文みたいなもんだろ?。なぁ、いちごちゃん」
いちご 「それは、感想文、これは、か・ん・そ・う・乾燥」
おやじ 「乾くって、ことかい」
いちご 「そうそう、乾燥」
先生  「じゃあ、皮膚の乾燥を防ぐために大切な事を上げてみるね」

    次回は、乾燥を防ぐための方法、症状の悪化をさせない治療についてお話します。

2004年3月23日(火)
アトピー性皮膚炎 PartV

     前回までの説明でなんとなくアトピー性皮膚炎がすこし理解できたような?、わがままおやじ。

おやじ 「先生、おら、アトピーのお客さんがいらした時、何か、してあげれることあるかな?」
先生  「いままでに説明したように、アトピー性皮膚炎の原因や増悪因子にダニやハウスダストが考えられるので、まずは、きれいに掃除することですね」
いちご 「そうそう、いつもきれいに掃除しなさいってことよ、おじさん」
おやじ 「何言ってんの〜、いちごちゃん。おら、青中だで〜、青中時代は、毎日掃除当番だったんだで〜」
いちご 「それは、単に毎日悪いことばっかりしてるから先生に掃除当番させられていたんでしょう」
おやじ 「なんで、知ってんのぉ〜、見てたんか?」
いちご 「そのころ、私はまだ生まれていません!」
先生  「まあまあ、とにかく、清潔にすることは大事です」

先生  「一番重要視されているのは、皮膚の乾燥です。以下に皮膚の乾燥を防ぐために大切な事を上げます」
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先生  「冷暖房は強くしない 冷暖房は強すぎると空気が乾燥し、皮膚も乾燥してしまいます。特に冬などは必ず加湿する様にしましょう」

先生  「石ケンは普通のもので良いのですが、刺激を感じる場合は低刺激のものを使いましょう。夏は1日おきぐらい、冬は3日に1回ぐらいの使用にとどめ、ナイロンタオルなどは絶対に使用せず、石ケンを手のひらであわだてて軽くこする程度にしましょう」

先生  「シャンプーは少なくとも3〜5倍くらいに薄めてから使用する様にしましょう。すすぎを十分することが重要です。リンスも同様です」

先生  「少しぬるめのお湯に毎日入りましょう。入浴することで皮膚の表面のホコリやアレルゲンも取り除かれます。また角層に水分を補給する効果があります。 保湿剤入りの入浴剤の使用は効果的な事が多いようです。硫黄入りの入浴剤の使用は避けましょう」

先生  「入浴後よく水分をふきとり直ちに保湿剤を外用し、水分の蒸発を防ぎます。ドライスキンとは、角層内の水分量の低下が起きている状態と考えられ、アトピー性皮膚炎では水分保持能を担う細胞間脂質の低下が認められています。 中でもセラミドをはじめとする脂質の低下が著しく、これらを外から補ってやることも有効です。ワセリン、アズノール軟膏、ヒルドイド軟膏、非ステロイド系軟膏、セラミド入りクリーム等の上手な使用により軽症のアトピーは十分コントロールできます」

先生  「これまでの説明は、一般的なアトピー性皮膚炎の治療です。さらに当院では、ヒト胎盤エキス療法やヒアルロン酸コラーゲン配合の美容液を使ったアトピー性皮膚炎のスキンケアなど、新しい治療も行っています。次回はこれらの治療法について説明しましょう」

次回はプラセンタ療法と北里大学、黒柳能光教授設計の美容液を併用したアトピー性皮膚炎の治療を実際の治療経験もふまえてお話します。

2004年3月24日(水)
アトピー性皮膚炎 PartW プラセンタ療法で症状改善

     前回までアトピー性皮膚炎の一般的なお話をしてきました。今回は、戸狩診療所で行っているプラセンタ療法及びヒアルロン酸アテロコラーゲン配合の美容液を使用したアトピー性皮膚炎のお話をさせて頂きます。

おやじ 「アトピーの子たち見てると何とかしてあげたくなっちゃうんだよな〜」
いちご 「今の子供たちは、食生活も、昔に比べて欧米化してるし、若いお母さんたちも食事は、コンビニのお弁当やハンバーガーで済ましちゃう方が多くなってるしね」

おやじ 「何だか、いちごちゃん、自分のこと言ってるみたいだね」
いちご 「違いますぅ。私は、ファミレスですぅ。おじさんなんてどっちも食べたことないんでしょう」
おやじ 「何いってんのぉ〜、おら、青山だで〜。おら、不二家でマック食ったでぇ」
いちご 「何言ってんのよ、不二家とマック(マクドナルド)は別でしょう。まったくぅ」
おやじ 「おかしいなぁ?40年前はそうだったんだけどなぁ」
いちご 「んなぁはずないでしょ!。まったく」

先生  「僕は、不二家もマクドナルドも好きですけど、話をアトピーに戻しませんか」
おやじ・いちご「はぁ〜い」

先生  「当院では、前回お話した一般の治療法でもなかなか症状の改善が認められない場合、プラセンタ療法を患者さんとよく相談した上で併用することがあります」
おやじ 「プリクラ?って何にでも効くんだなぁ〜」・・・本人プラセンタと言ったつもりらしい?
いちご 「プラセンタ!」

先生  「最初はプラセンタ注射(ラエンネック)を1アンプルから開始します。翌日症状が、少しでも改善したようなら、2アンプルに増量させていただきます。さらに創傷治癒の専門家である、北里大学の黒柳能光教授が設計した、ヒアルロン酸・アテロコラーゲン配合の美容液を夜入浴後使用してもらいます」

おやじ 「その美容液って、へびイチゴちゃんがスゴォ〜ク、いいって言ってた、アノ、アアノアノ。エドマエ?ってやつだろ?」
いちご 「エドマエじゃなくて、エルバイス!エルバイスよ」
先生  「そう、エルバイスのことです。このエルバイスは肌の状態を、10代前半の若いころの美しく綺麗な肌にします。また他の製品のように防腐剤や界面活性剤など一切入っていません。だから、アトピーの方にも安心して使用できます。詳しくは、ホームページを見ていただけば解ります」

先生  「プラセンタ注射を最初のうちは、週に3〜4回症状が改善するまで続けてもらいたいですね。その後は症状に応じて減らしていけばいいと思います」

先生  「もちろん、生活習慣の改善やストレスもたまらないよう、心がけてもらいます」
先生  「皮膚の状態が落ち着いたら、1〜2週に一回プラセンタマスクもかなり有効です。ただ、プラセンタマスクだけのときよりエルバイスで2〜3週間スキンケアしたあとにプラセンタマスクを使った方が効果を実感できると思います」

おやじ 「良いこと聞いた。アトピーのお客さんに教えてやろ〜っと」
いちご 「おじさん、あまり変なこと喋んないでね、おじさん、いつも、間違ってるんだから」
おやじ 「うるへぇ、おら、青中だ!」
      
      相変わらずの、わがままおやじであった

花粉症 花粉戦線異常あり!    
2004年2月21日(土)
 みサル 鼻ぐしゅぐしゅ、眼かいかい

     今日は、良く晴れた、暖かい日でした。

みサル 「ウッキッキ〜 おじさん、こんにちは」
おやじ 「よう、おサルちゃん、どったの〜?」・・・・なぜか、いつもおやじがいる。
みサル 「ウキッ おサルじゃないわよ、みサル!キキイ」
     「おじさんこそゴリラじゃない、ウッキキ〜」
おやじ 「おら、青山だ!」
クラーク「2ひきとも、おだまり!ほかの患者様に迷惑よ。私は綺麗、ホーホッホッ」

 注)  待合室には病気で苦しい患者様が大勢おられます。他の患者様に迷惑にならないように気をつけましょう。

いちご 「みサルさん、診察室1番へどうぞ」
みサル 「ウキウキッ、クシュン、クシュン、おねがいします」・・・鼻水をなめながら。
クラーク「ホーホッホ、おサルさん、みっともないですわ。鼻水お拭きなさい」・・・テッシュペーパーっを差し出す。
みサル 「クラークさんは、鼻水、でないんですか?」
クラーク「ホーホホッ、おだまり!美人は、鼻水もウンコもでないのよ。ホーホッホ」
いちご 「なに言ってるんですか、ただ便秘してるだけでしょ。まったく」

先生  「みサルちゃん、鼻水は透明で突然タラーとでてくるんですよね?」
     「毎年、この季節ですか、それとも1年中ですか?」
みサル 「いつも、春先です、ウキッキ〜」・・・両方の鼻の穴にテッシュをつめて。

先生  「まず1番に考えられるのは、すぎ花粉症でしょう。通年性ならハウスダスト(家のホコリやダニ)が考えられ ます」  
     「最近では、いい薬がありますから、できれば毎年症状が出そうな2〜3週間前から抗アレルギー剤を内服していると症状が軽くすみますよ」

     「プラセンタ治療もかなり有効です」
     「とりあえず、抗アレルギー剤を1日2回内服してみましょう。外出から帰ったらよく顔や眼を洗い洋服を着替えましょう」

いちご 「おだいじに」
みサル 「ウキッウキッウキキ〜、ありがとうでござ〜る」・・・診察室をでました。
おやじ 「なんだった?」・・・興味しんしんに。
みサル 「すぎ花粉症だって。ウキッ」
おやじ 「へ〜サルも花粉症になるんだ?」
みサル 「うるさ〜い!!キキイ〜」・・・・ガリガリウキイイ*!?

    おやじの顔に3本の赤いすじ状の引っかき傷ができたのであった。
  注)  病気の患者さんは皆さん苦しんでおられます。冗談は、ほどほどに。

2004年3月13日(土)
花粉戦線異常あり! みサル・サルサル・みサルサル

     なにやら、診療所の待合室が騒がしいようです。

みサル 「ウッキィ、ウキ、ウキ、ウキッキィ〜」
おやじ 「ウホ、ウホ、ウッホホ」・・・おやじはサルの言葉も出来るらしい。
みサル 「ウキッ、今年は花粉症らくだよ、ゴリさん。ウキッ」

おやじ 「おら、青山だ、ウホッ、ゴリさんじゃねえ。ウホウホ」
いちご 「エ〜サァ、エ〜サ、エサホイ、みサルさん、診察室1番へおはいりくだサル」

クラーク「ホォ〜ホホ、おサルちゃんお久しぶり、私、私は、綺麗、美しい〜」
みサル 「ウキィィ、どうなってんの?この診療所。ウキ」
先生  「やあやあ、みサルちゃん、春だからねぇ。みんな、春の訪れを体で感じているんだよ」
   
    注)診療所は季節の変わり目には、いろんな患者様がこられます。

先生  「花粉症の症状はどうですか?」・・・数週間前から抗アレルギー剤の内服をしている。

みサル 「ウィキィ、今年は花粉が少ないせいか楽です、ウキ。先生、花粉が多いとか、少ないとか何か予測する方法はあるんですか?」
クラーク「ホォ〜ホホ、あなた方のほうが、そのへんの感は鋭いんじゃありません?、いくら先生だって人間ですもの。ホホッ」

みサル 「ウキィ〜イ!、クラークさん、ひどぉい。キキ、私たち動物みたいじゃない」
先生  「花粉の予想は専門家じゃないから詳しいことは解らないけど、1月1日より測定を開始してプレパラート(1.8cm×1.8cm)上に1個でもスギ花粉が観測された日を花粉初観測日としています」

先生  「通常、お正月を過ぎた頃から全国各地で観測され、その頃から日に日に花粉の個数が増えていきます。但し、この時期に花粉症になる人少なく、あくまでもスギ花粉を確認する時期といえます」
みサル 「ウキ〜、」

先生  「24時間で1cm×1cm当たり、スギ花粉が1個以上2日続けて観測された初日を指します。例年、この日以降に花粉が一気に飛び始めるといわれます。花粉症の患者さんにとっては大変な日の始まりです」

先生  「時期的には、気温の高い地方から順に飛散開始日を迎え、2月初旬から3月中旬にかけて、ほぼ全国的にスギ花粉を観測します。沖縄県と北海道はスギがないので花粉は飛ばないらしいよ」
おやじ 「ウホッ、おら、青山だ」・・・なぜか?わがままおやじがそこにいる。

先生  「花粉飛散予測のための情報としては、前年の夏の気候・気温 などに影響されます。秋にスギの花芽を実際に森に行き計測(スギの花芽は夏に出来る。) したり、冬の気温の変化などを考慮して実際に飛び始める日を予測する。冬の間、花芽は一旦休眠するため。 飛散後は日々の気温、湿度、風向きなどで予測しているとおもわれます」

先生  「抗アレルギー薬は花粉が本格的に飛散する2週間前からの服用が効果的です。早目に医師の診察を受け薬の服用を開始することが、花粉症の発症を遅らせて大量飛散時期の症状を軽くするために大切です」

     注)毎年のことですから、できるだけ早めの予防策をこうじてください。



アトピー性皮膚炎

花粉症 花粉戦線異常あり!

過去の診療所日記からアレルギー性疾患を抜粋しました

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