過去の日記から眩暈 メニエール病を抜粋いたしました

メニエール病

2004年4月27日(火)
くるくる回る、目が回る 眩暈

     
     今日はもう春だというのに、肌寒い、飯山戸狩地区です。
     久しぶりにわがままおやじの奥さんのわがママさんが何か気分悪そうにうつむき加減でつらそうです。

いちご 「おじさん、奥さんどうかしたの?」
おやじ 「何とかしてくれや、おらのママ眼が回って立っていられねんだで、目が回るらしいんだ」
いちご 「ちょっと待ってね、奥さん血圧測ってみますね、大丈夫ですか?」
ママ  「アー気持ち悪い、眼を開けるとグルグル景色が回るんです、私どうかなっちゃったのかしら、気持ち悪い」
いちご 「先生、ちょっといいですか、おじさんの奥さん目が回るらしいんです」

先生  「いちごちゃん、奥さんを診察室に入れて横になって頂いてください」
おやじ 「先生、おらのママ何とかしてくれや」
先生  「はい、少し待ってくださいね、いちごちゃん、血圧は?」
いちご 「188の96です、脈は86です、とくに不整はありません」
先生  「奥さん、深呼吸してください、ちょっと、診察しますよ」
ママ  「あーダメ、気持ち悪い、眼お開けていられない」
先生  「念のため、CTをとって調べておきましょう、技師さん、お願いします」
技師  「はい、カッショ、こちらへどうぞカッショ」

     ママは車椅子でCT室へ運ばれていきました。
     しばらくして、診察室にママは再び帰ってきました。かなり辛そうです。

先生  「わがママさん、特に明らかな出血や、梗塞、腫瘍などの変化は、ありませんよ」
おやじ 「よかったなぁ、ママ、心配したでぇ」
ママ  「よくはないわよ、こんなに気持ち悪いの初めて」
先生  「とりあえず、今のままでは、かわいそうだから楽にしてあげますね。いちごちゃん点滴お願い、メイロン40ml入れてね」
おやじ 「メロン?、ママメロン嫌いだよぉ」
ママ  「なに言ってるの、先生はメイロンって言ったのよ、ほんとに人が気持悪いって言うときに、あんたは!」
おやじ 「しゅいましぇん」・・・シュン

いちご 「はい、分かりました、奥さん点滴しに行きましょう、大丈夫ですか?」
ママ  「はい、何とか、いつもすいません、うちの人」
いちご 「いえいえ、気にしないでください、さあ、ベッドに移りますよ」
ベッドに横になったママに点滴が行われました。

     約1時間ほどたって、少し顔色が良くなったママが再び診察室に戻ってきました」

先生  「わがママさんの病名は、メニエール病が考えられます」
おやじ 「エリエール?」
いちご 「違うったば、メニエール、エリエールは関係ないでしょ」
先生  「今回はメニエール病についてお話しましょう」

2004年4月28日(水)
眩暈、耳鳴り、難聴、PartU


     わがままおやじの奥さん、わがママわは、眩暈で戸狩診療所に来ています。
     CTなどで特に異常なくメニエール病の疑い有りとのことです。

おやじ 「その、アリエールってのは、なんだい?」
いちご 「ちがうっての、メニエール病」
ママ  「お父さん、黙ってて」
おやじ 「また、怒らせちゃった」
ママ  「先生、メニエール病ってどんな病気ですか?」

先生  「奥さん、耳鳴りがあり、少し聞こえにくかったんではないですか」
ママ  「はい、そういえば、何か耳鳴りがして、聞こえにくかったですね、でも眩暈がすごくて、立っていられなかったです」
先生  「そうでしょう、メニエール病の三大症状が出てますね」
ママ  「三大症状?」
先生  「そう、典型的なメニエール病の三大症状は、 回転性めまい、難聴、耳鳴りです」

おやじ 「回転寿司、めばる、3丁、上がりです?」
いちご 「おじさん、今のギャグ、ちょっと無理あるよ」
おやじ 「だめかぁ、・・・」
ママ  「・・・・・」・・・無言

先生  「眩暈が約30分から数時間程度続きます、眩暈や発作は不定期に繰り返し、精神的ストレスや過労時が発作の誘因となります。難聴は低音部に障害があり、眩暈に連動して変動します。時に上記のような症状がそろわないこともあります」
ママ  「私、の場合は、眩暈が主です」

先生  「例えば逆に難聴と耳鳴りの変動があるがめまいがないという様な場合もありますが、多くが数年で典型的なメニエール病の病像を現すようになります」
ママ  「この病気の原因はなんですか?」

先生  「メニエール病には病因などに不明の点も多いのですが、耳のいちばん奥にある内耳の病気で、原因ははっきりわかっていませんが、過労やストレスがきっかけとなって起こると考えられています。また、30歳から50歳に多く、子供では稀です、性格が几帳面な人や融通のきかない人、小さなことに思い悩む人に多いと言われています」

おやじ 「ママ、几帳面だからね」
ママ  「あなたが、だらしないからでしょう」
いちご 「そうだ、そうだ」
おやじ 「いちごちゃんにだけは、言われたくねえな」
いちご 「もう、黙ってて」

先生  「最近ではウイルスの感染が原因という説もあります」

2004年4月30日(金)
メニエール病 PartV


     わがままおやじの奥さん、わがママは、メニエール病かもしれないとの診断を受けた。
     今回はメニエール病の治療についてお話します。

おやじ 「おらの、ママ、メニエール病かもしれないだよね?」
先生  「ほぼ、間違いないと思いますよ」
おやじ 「なら、どんな治療があるんだやぁ?」
ママ  「私、どうなるんですか?」
先生  「今から治療や日ごろの注意についてお話しますね」
ママ  「お願いします」

先生  「まず、メニエール病の病因が不明である以上、残念ながらメニエール病の根本的治療法を確定する事はできませんが、ただ、メニエール病は、内耳で内リンパ腔という部分の拡大が見られ(内リンパ水腫)、これによってその症状が引き起こされるという点については殆ど異論はありません」
おやじ 「ハイジと水車がどうしたんだい?」
いちご 「内リンパ水腫」
ママ  「それが原因なんですか?」

先生  「内リンパ水腫によってその症状が引き起こされるということについては間違いありません。しかし、なぜ内リンパ水腫がおこるのかは不明で、内耳の前庭水管の発達異常、アレルギーの関与、ヘルペスなどのウイルス感染、内耳の血流不全など様々な可能性が挙げられています。また、これらのどれか一つだけではなく異なる病因が同一の症状を引き起こす可能性もあります」
おやじ 「ママの病気は、なおらないんかい?」

先生  「病因が明らかでないため、対症療法が中心となります。一般に病期、症状にあわせて吐き気や嘔吐を抑える鎮暈剤、制吐剤、精神安定剤、内リンパ水腫に対する利尿剤、内耳の循環改善剤、自律神経調整剤などが用いられます。また、発作が起きているときは、吐き気を伴うため内服剤が使えず、点滴や注射を行います」
おやじ 「なんだか、わかんねえけど、面倒な病気だな」

先生  「そんなことはないですよ、早期に適切な治療がなされると予後は比較的いいですよ。ただ10〜15%は発作の再発、長期化が見られるます」
ママ  「どんなことに注意すればいいですか?」

先生  「めまい発作が起こったときは、まず安静にして、発症のきっかけとなったストレスやトラブルの解消につとめ、発病早期のライフスタイルの健全化をはかることです、十分な休息をとり、日頃からリラックスしてストレスを避けましょう、過労や睡眠不足を避け、1日の生活リズムを作り規則正しい生活を心がけてください」

おやじ 「ママ、おらが、一生懸命働いて稼ぐから、休んでくれや」
先生  「それが一番の治療かも知れませんね、おやじさん頑張ってください、ママと、お子さんのためにも」
おやじ 「オオッー、エイエイオー」
いちご 「分かってんのかしら???」
ママ  「ほんと・・・・」

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