40年ほど前の狩猟解禁日(11/15) ・・・ その日は、一日中つめたい雨が降っていた

日の出前から夕暮れまで、山の池に作ったトヤ(鳥屋)の中でカモを待った

雨には濡れなかったが、カラダはすっかり冷え切った ・・・ 5人ほどの仲間と引き上げる途中

・・・ 峠のジサ(=爺さん=元猟師)にカモ置いて行こうじゃねえか ・・・ という話になった ・・・

「峠のジサ」 は、集団離村して麓の村に移ったが、春から晩秋まで、家族の住む家を離れ

一人、峠の旧宅で暮らし、農作業や山仕事しながら、カモの来る池に餌を撒いてくれたのだった

その家は、池から20分ほどのところにあった、電気はなかった、真っ暗な中に囲炉裏の火が見えた

・・・ ジサ、カモ持って来たで ・・・ と言うと ・・・ そーか そーか ・・・ と、喜んで ・・・

囲炉裏の火に、焚き木を豪勢にくべた ・・・ 暗かった家の中が一気に明るく、あたたかくなった

芯まで冷えきっていた身体 ・・・ ほぐれた ・・・ 火の効果 ・・・ これほどか ・・・ と感激した

… 以来 ・・・ 

囲炉裏の火も、家の中での、あれほどの焚き火も見ていない ・・・ たぶん ・・・ これからも