昨夜、吹雪の中で・・・

だるまや、しめ縄を飾った 「どうろくじん」に火がつけられた
子供たちが、雪玉を投げつけて消そうとしますが、

これだけ燃えちゃうと、もー消えねえなー。
 


当地では、雪が多いため、当日これを作るのは困難です。
したがって、例年11月初旬、雪がないうちに作っておきます。
昔から、こういう風習があったんだそうですが、
私たちが子供の頃は、やりませんでした。

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昭和50年頃、この村の獅子舞の仲間で飲んでおりました。

子供になぎなたを教えていたじさまが、こんな話をしました。
「どうろくじんってのがあってなあ、子供がみんなで作ったんさ。
 1月15日の夜に燃すんだっけんなあ、よそ村へ攻めてって、
 相手がつける前に火をつけて、くわ
らん、くわらんと逃げてくるんだ。
 おもしれがったなあ。」

獅子舞のリーダーが言った。
「わえら、ことしゃー、そればやるだねーか。」
(お前たち、今年は、それをしようじゃないか)

当時、このあたりではどの村も、そんなのやってませんでした。
ですから、どうろくじんの形さえわかりません。
その年の1月15日、じさまに聞いた形で大小2個のどうろくじんを作りました。

さて、どうやって始めるんだ?

また、じさまが言いました。
「ほらを吹くんださ。ほらは、おめっちゃうちに大人用と子供用がある。」
と私を指さしました。
「ほら」は「ほら貝」のこと。
親父に聞くと、土蔵に大小2個のほら貝があるという。

小さい方のほら貝は、昼間、子供がこれを吹きながら1軒1軒回って、
だるまやしめ縄を集めたんだそうです。
暗くなってから「見せ火」という小さい方のどうろくじんに火をつけた後、
大人が大きい方のほら貝を吹くと、村中に響き渡って村人が出て来たといいます。
それから、大人が火付け役、子供が火消し役の攻防をして、
大きい方のどうろくじんに、火がつけられるというストーリー。
言われたとおり、忠実に実行しました。

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それから、35年あまり・・・
もちろん昨夜も、私がほら貝を吹いたことは、言うまでもありません。
が、年のせいか酒のせいか・・・
若い頃のように『ぶおーっ!』とは鳴り響きませんでした!!!
  雪が降る前に作って、その後、新雪が積もった2個のどうろくじん
今は、大人だけで作ります。高さは、大きい方が約6m。
手前の小さい方は「見せ火」用。
 撮影は、昨年の12月末