上桑名川駅から、急坂を登りきった柄山(からやま)地区にある大ケヤキ 


ある年の1月4日、仕事始めの昼過ぎ、善光寺へ初詣に行った。
仕事は明日からバリバリやろうぜ、とそば屋の暖簾をくぐって、怪気炎を上げた。
夕方、長野駅で別れ、飯山線で自宅へ帰った。

翌朝、一目で二日酔いとわかる彼が言った。長野駅であんたと別れ、ベンチて寝込んだ。
気づいて、あわてて目の前の列車に飛び乗って、またグー!。上田に向かったつもりが、
車掌に起こされたら、飯山駅だった。最終列車で、もう長野行きはないという。

飯山に、あんたの家があるなんて思いもつかなかった。頼み込んで回送列車に乗せてもらって、
長野駅車両車庫に連れて行かれた。そこからどうやって自宅へ帰ったか ・・・
・・・ ゆうべは、どうしたんだっけ?・・ と、妻には、とても聞けなかった。

・・・ わかる! ・・・ お互い、のん兵衛 ・・・ すねに、いくつも傷をもつ。

                                              (つづく)