中古池(なかふるいけ)は、桂池から直線距離で100mちょっと離れている。 両池とも、古くから小境地区の灌漑用水として使われていた。 今から200年前、文化8年の地震で、ここから麓への水路が崩壊、水が流れなくなった。 困った村人たちは、新潟県の石工を雇い、100mを優に超える隧道を掘って、水路を作り直した。 三年にわたる難工事、莫大な費用を捻出するために、二軒の庄屋が家財を売り払って一家離散した。 その水路の入口が、これ。 今も、使われている。 20年ほど前、湖畔で、尾崎地区の小学生親子キャンプをした。目玉は、隧道探検。 中は真っ暗。真夏なのに、ひんやり。天井にぶら下がったコウモリが、バタバタと飛び交う。 ヒャー、うへえー! 子供は平気、大人の悲鳴が大きかった。 50mも進むと、隧道は急な下り坂になった。これ以上は危険、と、引き返した。 近くに建つ記念碑 隧道秘話が、刻まれている。