早朝、7時前。 田んぼに中年の女がいる。・・・ ははあ、イナゴとりだな。
あたりを見回すと、むこうに軽乗用車が止まって、おっさんが一人、やっぱりイナゴをとってる。
・・・ イナゴ・平日・夫婦・軽乗用車 ・・・ キーワードを、頭の中でぐるぐる回して推理。

答えが出た。

長野市あたりから来た、飲み屋の夫婦で、客に出すイナゴの佃煮を作ろうと、捕まえてる。
昨夜は定休日だったから、こんな朝早くここまで来れたんだろう。平日が休みってことは、
店は中心市街地から外れてる。軽乗用車だから、夫婦でやってる小さな店。
親父が道路際、かあちゃんが、あぜ道をあれだけ向こうまで行ってるってことは、
かあちゃんは農家の出身に違いない。

手元を凝視する。よく手が動いてる。 ・・・ そーかー、イナゴは結構いるってことだな。
でもなあ、オレは、こういう地味な作業は、ごめんだね。
数年前、バイクにでっかい玉網を結びつけ、一網打尽を目論みて農道を走った。見事に失敗した。

今日もいい天気だ ・・・ 朝からカラスが、カアカアうるさい。ちょっくら、こらしめに行ってくるか。