本格的に稲刈りが始った。
今は、このでかいコンバインをオペレーターが一人で運転。
稲を刈り取り、同時に脱穀してタンクにコメを貯める。
刈り取ったコメが一杯になると、上部の長いパイプから農道で待つトラックにコメだけ移す。
トラックはそのままライスセンターへ運搬して、大型乾燥機にコメを移す。
昔の秋の農作業風景は、今はない。

昔、この時期、子供心に一番辛かった。
親たちは休む間もなく働いた。夕飯なんか、いつになるか分からなかった。
刈り取った稲をハゼに掛けて干す。子供も稲をさんだす。(棒の先に稲束を掛けて渡す)
小学校高学年になれば、はぜの上に登って稲を干した。
雨が降れば、大騒ぎではぜから家の中へ取り入れた。
脱穀はよなべだった。深夜までかかることもざらだった。腹が減ったなんて言えなかった。
稲わらの上で泣き寝入りした。でも、1年ぶりに現金が入ってくるのは目前だった。
子供も、黙って耐えた。たかが50年前のことだが、この変わりようは目を見張る。
今日は寒い。熱燗をいただこう。あつあつの新米を酒の肴に飲めるのは、もうすぐだ。