飯山市長選挙があった。

かつて ・・・ 飯山市長になる ・・・ と公言してはばからなかった私だが、本心ではない。
なぜなら、頭だけ、すげ変えても改革はムリ、と考えるからだ。

では、尾崎区の改革が順調に前進し続けるのはなぜか? それは、トップと実務が一体だから。
一般に、トップが改革しようとすれば、実務者に大きな負担がかかる。
従前どおり続けるのが一番楽、なこともさることながら、新制度の具体的手順をどうすればいいか、
元々そういうことに慣れてない者は、何から手をつけていいか、途方に暮れる。

実は、私のサラリーマン人生36年は、新しいことへの対応の繰り返しだった。
国が新制度を作り、その為の法律整備中にもかかわらず、
先を見越して、手探りでコンピュータ・システムの準備を進め、見えない目標を、走りながら探す。

マニュアルを作り、説明会を開催し、制度開始日には、あらゆるシステム・トラブルに
瞬時に対応できるよう、満を持して、心身ともに最大緊張状態にもって行く。
まるで、紅白歌合戦の舞台裏のようだ (見たコト ないけど)

つまり、暗中模索しつつ、一から作り上げることの繰り返しに、人生の大半を費やしてきた。
したがって、新しいことに挑戦、具体化させることは、得意中の得意とするところ。
こういう問題解決能力を 「地頭力」 という。

・・・ 昭和56年2月 ・・・

二年の歳月をかけて開発してきた預金総合オンラインは、最終段階を迎えた。
2店舗でテストを行い、順調に稼働できれば、そのままオンラインに移行しようという計画だった。
本店営業部へは、私がリーダーとなって、10人ほどの開発メンバーを引き連れて、乗り込んだ。

朝8時、稼働は順調に始まった。更に1時間が経過した。
「あれっ?同じ伝票が、また回ってきた。」 混乱が始まった。 うろたえた職員達が、オロオロと私を見る。
「あわてるな、○○君と△△君は、担当者印を確認、処理済と未処理を分けろ。他の者は、そのまま続けろ。
二重処理が見つかったら、すぐ、オレのところへ持ってこい」

しばらくして、混乱は解消した。 現場は平静を取り戻した。
夕方 ・・・ 「ご明算」 ・・・ の声とともに、当日の勘定が、めでたく一致した。
オンラインシステムは、順調にスタートしたのだった。

人は、修羅場を経験すれば強くなる。その回数が多ければ多いほど、図太く、かつ、冷静沈着になる。
地頭力は訓練で向上する。 頭とハサミは使いようで切れる、というがまさにそのとおり。

逆に、他人を利用したり、自ら手を抜いたりすれば、持って生まれた地頭力さえ退化する。
はっきりいって、学校を卒業して10年も経ずに、その差が歴然とする。

・・・ 人生に必要なのは ・・・

学業成績よりも、幾度となく突き当たる困難への問題解決能力と、何があっても折れない強い心 ・・・ なのだ。