おーい、都会に住んでるYさんと、Kさんよーっ!

無人の実家が、軒まで雪で一杯でさー・・・
東京から雪掘りに来た70才の姉ちゃんが、
一人でヤキモキしてるからさー・・・

ちょっと、助っ人に行ってきたよーっ!

なんてったって機械力、1時間でこんなもんさ。
だから、心配いらねーよーっ!



でもさー、思ったんだよねー。
こんな時こそ、兄弟みんなで一族郎党を引き連れてさー・・・
実家へ 『雪掘りツアー兄弟会・いとこ会』 なんてのは、どーだい!

一人でやる雪掘りはつらいけど、
みんなでワイワイやる雪掘りは、楽しいよー。

あんたたちは、雪掘りの大変さ、知ってるから・・・
女房・子供にはさせたくないって思ってんだろうけど、
ここで暮した子供時代のことや、
雪の中の、大変だった暮らしぶりを話してやれば、
へーっ!
お父ちゃん、大変だったんねー、がんばったんねーなんて、
尊敬されちゃったりして・・・
夫婦・親子のきずなも深くなると思うよー。

寒い実家に泊まらなくっても、こんなのはどーだい。
調理人は引き受けるからさー、一度考えてみてよ。

じゃ、またなーっ!


窓の板は何だ?って思った方に、お教えしましょう。これは『雪囲い』 です。農村部では、隣家との距離がけっこうあります。したがって、
最近は雪が降れば自然に落ちるような屋根に作ってあります。ところが、落ちた雪にはかなりスピードがありますから、反動で窓を突き
破って屋内に跳び込んでしまいます。それをガードするために、雪が降る前に板で『雪囲い』をしておくんです。これがありますと、窓ガ
ラスは割れませんから、1階の軒まで雪が積っても問題ありません。ところが、積もったり、屋根から落ちた雪が軒まで繋がってしまい
ますと、雪が解けて水分を含んで重くなった時に、地面までつながった全部の雪が軒を引っ張って、ついには軒をへし折ってしまうんです。
それを回避するために、軒を掘り出し、なおかつ屋内に明かりを入れるために窓を掘り出します。

これが手作業ですと、大変な重労働です。私が子供の頃、我が家の4棟の建物の雪おろしに、父母二人で三日かかりました。そして、
おろした雪から軒を掘り出すだけで、更に四日かかりました。スコップ・手作業で家を掘り出して、家の回りに高く高く積み上げたのです。
ですから『雪掘り』といいます。当時、窓を掘り出すところまではとても手が回らず、茅葺平屋の家の中は、冬じゅう夕方のようでした。
昔は、1シーズン5〜6回の雪おろしは当たり前でしたから、12月から3月末までの4か月間のうち、実に約半分は朝から晩まで雪との
格闘だったんですね。