となり村で、火事があった。

不思議に思いませんか。こんなに雪に囲まれてるのに、燃えるんだろうかって。
どうも、火がついてしまえば、雪があったって関係ないようだ。

怖いのは、家の周囲の大量の雪。平屋なら、玄関以外に逃げ場がない。
二階があっても、階段が通れなければ、1階から逃げられない。
窓の外には雪囲いの板、その外には厚い雪の壁。だから、降ったら、せっせと窓を掘り出す。
明かりとりだけが、目的ではない。日々の小さな「ずく」が、命も守る。

消防だって、大変だ。腰より深い雪をかき分け、水が入った重いホースを引きずる。
家の回りには、融雪用の池もある。雪をかぶって見えないから落ちる。
真冬なのに、ほかのホースから、水を浴びせられる。

犠牲者が出なくて、よかった。原因は、年寄りが鍋をかけたまま、隣家へ行ってたと聞いた。