田んぼの畔で、カルガモの親子が、ひなたぼっこしている。(向こうの杉林は、布施田神社) 

ヒナが、これっくらい大きくなれば、人がそばを通りかかっても、親鳥は悠然と構える。
が、巣立つ前だと、親鳥は偽傷行動をとる。
田んぼ道路を通れば、しょっちゅう出くわすから、カモが偽傷するのは、当たり前。

目を疑った。
繁みから飛び立ったカラス、すぐ目の前の田んぼに下り、よたよたと、こちらの注意をひく。
・・・ えーっ、カラスがやるっ? ・・・ まさか! ・・・

せっかくの演技ではあるが、こちとら、真偽を確かめたい。もしかすれば、大発見かも。
迫真の演技を無視して、繁みをのぞくと ・・・ いたっ ・・・ 
カラス、それも明らかに幼鳥。・・・ なるほどねえ、しばらく腕組みして考える。 

平清盛、ほとけ心があだとなり、平氏滅亡の遠因を作った。たとえ幼鳥でも、カラスはカラス。
心を鬼に、エアライフルの銃口を向け ・・・ ばあーん!・・・ と、ひときわ大声で、どなった。
カラスは飛び去った。子を思う親の情に免じ、その命、次に会うまで貸しておく、親孝行せい!

不用意にカラスの巣の下を通って、襲われケガしたのは数年前。ヤツら人間を完全になめてる。
にもかかわらず、脅威のスナイパー・ゴルゴ=オレ様、を極度に恐れる外様平のカラス。
圧倒的な力の差には、獰猛なカラスさえも偽傷せざるを得ない つまり鳥類共通の本能と判明。