キジの親分が訪ねて来た。

「猟師のハチトリってなあ、あんたかえ?」

「はあ、さいですが・・・」

「こねーだは、うちの若けーもんが、世話になったってなあ。」

「いえ、あれは、私じゃなくて、連れがやったんで、がす。
 私は一緒にいただけで、いっさい手は出してねっす。」

「そうかい、そうかい。ま、今日のところは勘弁してやるが、・・・
 
 月夜の晩ばかりじゃ、ねーってこと、覚えとくんだな。
 じゃましたな。」
 
「あばよっ!」

「・・・・・・・・・」

というような、会話があったかどうか、
当人たち以外は、知る由もありません。