んっ、あれはなんだ? 
これは「熊棚」 くまだな

ツキノワグマはミズナラの木に登って、ドングリを食う。
枝を折って、実を取って食ったら、その枝を尻の下に敷く。
でもって、枝がこんなふうに木の上にたくさんたまるのだ。

それにしても、こんな先端の細い枝まで登って、
よく落ちねえなあと感心する。
んっ、この穴は?
使われなくなった炭焼き窯。
入口の石をどかせば、中は二畳ほどの広さで、高さは人の背丈
ほどある。

入口に石が残っているのは、熊が冬眠に使っていない証拠。
だが、熊はこの手の穴が大好きだ。
石をどかして、入り込む。
石がなく、穴がぽっかり空いていたら、うかつに近寄らないこと。
「ちょっと長い話」で、熊にはち合わせたら手の打ちようがないと書いたら、無責任だとお叱りを受けました。
そこで、私自身が試したわけではありませんが、先輩猟師などの対策をご披露いたします。
@市販の熊撃退スプレーを持参する。金額は1万円くらい。問題は、緊急時にすぐ使えるような携帯方法。つまり、いつも手に持って
 いなければ、いざという時役に立たない。あっ、それと、1万円のスプレー買ってまで山に行く必要があるかは重要な問題です。
Aキノコ採りなどで、これから藪に入ろうとする前に、持参した爆竹などを鳴らす。ちなみに、鈴は、小熊が喜んで寄ってきてしまい、
 親熊を呼び寄せるのでかえって危険という話もありましたが、定かではありません。
Bよく言われる、熊に出会ったら刺激しないように静かに後ずさりする、というのは、やったことがないからわかりません。
C複数人で熊に出会ったら、熊が逃げたそうです。出会った人達も比較的冷静に、熊に向かって「それ、あっち行け」などと言ったら
 熊がスタコラ逃げたといいますから、民主主義とおんなじで、多数派工作は重要なようです。