雨でぬかるんでいた畑が、晴天続きで、ようやく乾いて耕され始めた。
85歳になる母 ・・・ 「鍬が壊れたから、買ってきてくれ」
 
渡された1万円札を握りしめ ・・・

出かけた農協の店舗は、おおにぎわい。
鍬なんて、いまどき、売ってんのかなあ?

百姓の倅に生まれて、百姓を知らない 「親不孝者」

店内を、うろうろ ・・・
 
あった、あった!

は、いーけど ・・・ 2千円台から、1万円以上まである。

よわったーっ!   どれを買えば、いーんじゃーっ?

使ったことねえから、わからん。
 
レジで、またびっくり。

ばば、ばっかしだあー!


こっちも、「じじ」 だが、あっちは、りっぱな 「後期高齢者」

おそれいりやした。
 
で、結局 ・・・

一番軽いの、買った。 (一番安かった)

・・・ 帰って、恐る恐る、渡すと ・・・

母、曰く 「これでいい。だめになったら、また、買えばいい。」

・・・ !   
( ぐすん! )