なべくら高原
右側の最も高い山は鍋倉山(1288m)

ここは、飯山市岡山地区上段と呼ばれるところ。
なぜ、「上段」(うわだん)か?
飯山線は、戸狩駅から北へ千曲川左岸の川沿いを走る。
西大滝駅までの間には幾つかの駅があるが、
それぞれの駅から急な段丘崖を登りきると、
広々とした台地が広がる。これが上段だ。
広い畑は、長野県川上村や群馬県嬬恋村を思わせる。
 
この上段には、温井、羽広山、土倉、柄山の集落があるが、
それぞれの集落の間は、関田山脈から流れ下る谷で遮られ、
となり村まで車で行く場合は、一旦、千曲川まで降りて、
改めて、となり村への登り口を回らなければならなかった。

これを解決した最初の橋が、「なべくら大橋」(写真右:温井〜羽広山)
橋ができる前のこんな逸話がある。
「おーえ、おっかあ、これがらけーるさげ、せーふろばたえとげ!」
(おーい、おかーちゃん、これから帰るから、風呂沸かしといてくれ)
谷の向こう側にむかって、谷の反対側の畑で働いていたお父ちゃんは、
そう言うと、てくてくてくてくと急な谷を下って、谷底の川を渡って、
反対側の急な崖を、うんしょうんしょと登って家にたどりつくと
風呂が沸いておりましたとさ。

橋の長さは200m、橋からのぞいた谷の深さは100m以上か。(写真右)
クワやカマ、なすやきゅうりやイモを担いで、
谷まで下りて登ったら、小一時間はかかる。
なるほど、据え風呂(薪で沸かす木桶の風呂)でも沸くわけだ。

このあたりの冬景色はすばらしい。
私は「北欧風」と言っております。(北欧へは行ったことありませんが)