表層雪崩 ・・・ 固く締まった雪の上に、降ったばかりの軽い雪が積って起きる ・・・ 十分承知 ・・・ 今、3月のザラメ雪だから、モンダイない

そう思って滑り出したのだった ・・・ しかし、30度を超える急斜面、立木が一本もない ・・・ 滑ってるすぐウシロから、雪がなだれ落ち始めた

ヤバッ! ・・・ 前方の疎林まで100m ・・・ 焦るココロ抑え、おなじスピードを維持 ・・・ ズズズ、雪崩も同じスピードで追って来る

魔の数十秒が過ぎ ・・・ 疎林に着いた、裸木に抱きつく ・・・ 雪崩は? ・・・ すぐ後ろから迫って、足元で止まった ・・・ 助かった!

その、ザラメ雪の表層雪崩は、鈍い音たてて、厚さ30pほどの雪の層作って、数百メートル下の谷へ、ゆっくりと、流れ続けている ・・・ もし

あの流れに足元すくわれ転倒すれば、雪の流れと共に谷へと流され、谷底に行き着けば、上からザラメ雪数メートル覆いかぶさって ・・・


教訓 ・・・ 表層雪崩はザラメ雪でも起こる ・・・ 急斜面のトラバース極めて危険 ・・・ 山では、ラクと安全性は反比例する

つまり ・・・ ラクできるルート(ラクが大きい)ほど、安全性は低く、遠回りで長く歩くルートは(ラク少ない)、安全性は高い ・・・ とはいえ

いかに教訓 得ても、イノチ失っちゃったら、元も子もない


・・・ あの時、滑る途中で止まってたら ・・・ 尾根 走ってた愛犬、気まぐれで近寄って来たら ・・・ あそこに裸木なかったら ・・・

あるいは ・・・ オレの人生、そこで終わってた かもしれない ・・・ この、よもやま話も、なかったか しれない ・・・ まさに 危機一髪!