納涼祭トークショー原稿の一部

みなさん、こんにちは。ご紹介いただきました外様の服部晴邦こと芸名千曲わたるでございます。
本日は、柳原の納涼祭ということでね、私になんか話をしろということでございます。
何を話せばいいかなー、と考えて、そーかー、泉台小学校が夏休みになったんだー、ということで、
今日は千曲わたるではなくて、日本海もぐるという芸名で出演をさせていただきます。
ということで、改めまして、
はーい、こんばんわー、日本海もぐるでーす。どうぞよろしくお願いいたします。

私、きのうテレビ見てましたらね、漫才のオードリー、春日と若林が伊勢志摩の海女さんと海に潜ってるじゃありませんか。私ねー、海の話を始めたら止まらないんです。外様の加山雄三といわれています。 ♪幸せだなあ 僕は君といる時が一番幸せなんだ・・・♪ 
えっ、加山雄三じゃねえだろって? 失礼しました。正確には雄三は雄三でも「よく、ゆうぞう」でございます。

実は、私、もぐり歴50年でございます。子供の頃、学校にはプールがありませんでした。広井川で泳ぎましたね。ただ泳いでも面白くないもんですから、潜って魚を捕まえたんですね。外様の尾崎のあたりまで行きますと、広井川も深いところで2mぐらいありました。そこに潜って、川淵のえぐれてる所に手を入れますと、ぬるっとしましてね、魚です。ナマズも多かったですね。捕まえた魚はパンツの中に入れましてね、あとで、焼いて食べましたけどね。うまかったですよ。

大人になっても、やっぱり潜りでしたね。学校も就職も、得意の潜りで入りました。結婚してからは布団に潜りましたね。で、今から40年前には、いわゆるアクアラング、正式にはスキューバダイビングっていうんですが、これを始めましてね。ボンベを背負って海に潜りました。よく、酸素ボンベって言われますが、酸素じゃないんですよ。圧縮空気が入っています。最近はエアータンクって言いますね。この潜水の基本が素潜り、いわゆるスノーケリングでございます。きのうのテレビで、オードリーの春日と若林がやってたやつでございます。よゐ子の浜口の「とったどー」で、このスノーケリングが一躍脚光を浴びまして、最近テレビでも超人気でございます。

夏休みといえば海水浴。お父さんのかっこいいところを、子供に見せなければなりません。そこで、きょうは、親子のスノーケリング教室と、貝の料理方法を、本日おいでの皆さんだけに内緒で、お教えいたします。ですからね、君たち、今日来ていない友達には絶対に言ってはいけません。夏休みが終わってから、「とーちゃんと、とったどーやって、超おもしれーかった」って自慢してください。そのためには、お父さん達、これから毎晩、子供とお風呂でスノーケリングの練習をしてくださいね。

はい、スノーケルができる人?あー、たくさんいらっしゃいますね。OK、OK。
でもね、これってけっこう自己流で基本を知らない方が多いんです。間違えて、おぼれちゃうことがないように、今日は知ってる人もおさらいをしましょうね。
スノーケルっていうのは、口にくわえるこんな曲がったやつですね。あれね、私、最初、こんなの馬鹿じゃないって思ったんです。だってねー、こんなみじっかいやつ、くわえてたってしょうがねえじゃねえか、長けりゃ、昔の忍者みてーに、水の下で息ができるのにって思ったんです。でね、やってみたんですね。ビニールパイプ、1mの、くわえて水の中、どうなります?
ぜんぜん、吸えないんですね。あれね、水深1mでは水圧で絶対吸えないですね。

で、スノーケルの、こんな短っけやつが何の役に立つかっていうと、水面で下を向いたまま息ができるってことなんですね。そんなん、何の役に立つかって思うでしょうが、いちいち息継ぎに顔を上げなくていいですから、ものすごーく楽です。で、下の方にサザエを見つけるでしょ、そのまま潜れちゃうんですね。これも、ものすごーく便利です。どうしてかって言いますとね、水面でサザエを見つけたとします。そのまま潜れば簡単にサザエに行き着きます。ところが、一旦、こう横を向いて息継ぎしますとね、波もあります、潮の流れもあります、さざえは岩と同じ色をしています。一瞬目をそらすと、あれっ、どこへ行っちゃった、と分からなくなります。ですから、見つけたら、目をそらさないでそのまま潜るってことは、とても重要です。

で、潜ってる時は、スノーケルをくわえたままで、もちろん、息は止めています。水面に上がってきたら、まず、スノーケルの中に息を思い切り吐き出します。そうすると、ホースの中の水が飛び出しますので、息ができます。ですから、スノーケルをした時の潜水の息の仕方は、しない時と逆になります。浮いてきたら最初に息を吐き出すんです。これを、スノーケルをしないときのように、浮いてきて息を吸い込むと、スノーケルの中にたまった水が口の中に入ってきますので、おぼれます。昔、スノーケルが流行りだした30年くらい前、水が入らないようにと弁がついたスノーケルが流行しましてね。何人も亡くなりました。スノーケルの中に水は入ってこないけど、水面に出ないうちに吸いこんじゃって、水が入る、パニックになったというわけです。注意してくださいね。これは、うちのお風呂で練習すると、確実に上手になります。ただし、あちこちにお湯が跳びますからね、これは、おとうさん、おかあさん、お子さんの為ですから、うるさく言わないでくださいね。

次に、大切なのが、耳抜きです。2mぐらい潜りますと、耳がキーンと痛くなります。これは、水圧で耳の外の気圧が、耳の中の気圧より高くなって、鼓膜が内側へ押された痛さなんですね。
これを、治す方法があります。耳抜きといいます。これはね、一番簡単な方法は、鼻の両側を指でつまんで、閉じてから、鼻に向かって息を吹き込みます。そうしますと、鼓膜が外側へ押されて、鼓膜からぷっと空気が抜けます。やってみましょうか、両手で鼻をつまんで、鼻に向かってぷっ。うまくいきました?片方だけしかできなかった?そういうことが多いみたいですね。
何度かやってると、できるようになります。みんな、最初は素人だったんです。あせらないで、やってみましょう。これをしないで、がまんして潜ると鼓膜が破れることがあるみたいですから注意してください。ただし、2mくらいでしたら、まったく問題はありません。

さて、スノーケルも耳抜きもできるようになりました。まず、潜って貝をとる方法です。あわびやさざえやいろいろ取りたいですね。
申し上げておきますが、貝類、たこなど、回遊性のないものを漁業権の無い人が取ると基本的には法律違反です。ただ、海水浴場でやる分には、いろいろ言われませんが、海水浴場ではないところでやると警察のご厄介になることもあるようですので、注意が必要です。
もう一つの基本です。手には軍手、足には軽い運動靴がいいですね。裸よりもTシャツを着てた方が安全です。今は、Tシャツじゃなくていいのがあるようですね。

まず、一番簡単に取れるのが、紫イガイです。よく、海の岩場やテトラポットに行きますと、なんかこうとんがったのがびっちりついてますね。気持ちの悪いの。ちょっと見ると蟹の爪みたいに見えます。これは、実は昔から日本にいたわけじゃなくて、昭和の初めに外国から入って来た種類らしいです。フランス料理ではムール貝といって珍重されます。これもね、実は、波打ち際のは小さくてとても食べられません。それが、びっちりついていたら、水中メガネをつけて1メートルぐらい下を見ますとね、けっこうこれくらいのがありましてね。おいしくいただけます。ただ、素手ではなかなかとれません。

この貝は、鮮魚センターでも安く売っています。これっくらいのが10個で300円くらい。食べ方は、貝類の一番楽な調理方法ですが、鍋に入れて日本酒をじゃっと入れてふたをする酒蒸しですね。貝の口があけばもう大丈夫。長く火を通すと固くなってまずいです。元々生きてるのは、刺身で食べられるものですから、生でもいいんですが、生の貝は生臭いです。しっかり塩もみしないと生臭くて食べられません。酒蒸しして貝の口があけば、生臭さがとれておいしくいただけます。で、この貝、別名にたり貝とも言われます。女性のあそこに似ているからとか、男が見てにたりとするからとか言われます。貝の合わせ目から、海藻がちょぼちょぼと出てましてね、これがにたりのゆえんですが、食べる前にはこれを引き抜いてください。

さざえは、岩に海藻がたくさんついているところにいます。岩の隙間のようなところには、まとまっていくつかいます。水面からスノーケリングをしながら探して、みつけたらそのままの体勢で潜ります。これは、とても楽しいです。よく、あおむけに寝っ転がる姿勢で水面に浮きますよね。スノーケリングのいいところは、下を向いたままの姿勢で、何もしなくても浮いていられるんですね。こうやって波間に漂ってるんです。ずーっと、水の中を見ていられるんで、楽しいですよ。ただでさえ楽しい所に、さざえを見つけたら、もう最高ですね。ただ、岩の隙間には、うにも一緒にいますから危険です。うには手でさわらない方がいいです。軍手をしていても危険です。とげが刺さると、皮膚の中で折れます。
みなさん、さざえは岩にひっついてるから足は遅いんだろうと思いますよね。とんでもない。例えば、さざえを取ってきました。「とったどー」と言ったけど、家族はちょっと離れたところにいる。もう一個あったよなあー、と目の前の岩の上において、もう一回潜って戻ってみたら、ない。え、だれが取ったの?実は、さざえは歩いて逃げたんです。30秒で50センチは歩きますね。食われちゃかなわんと、相手も必死ですから。

カキの話をしましょう。みなさん、カキは夏は食べられない、夏は毒があるからあたるって思っていませんか。その話は、岩ガキにはあてはまらないようですね。私は、新潟の海の岩ガキをたくさん食べましたが、あたったことはありません。ただ、岩ガキはその場でとって食べるのは簡単ですが、持って帰ってくるのは、岩にひっついてる方をはがさなくちゃなんないんで難しいです。
うにですが、小さくてほとんど食べるところがありません。それよりも、石で潰しますと、小さい魚がものすごくたくさん寄ってくるのでこれを見るのが面白いですね。

タコですがね、けっこういますね。海底が砂のところにはいません。ジャリだとか岩のところには、背がたつような浅いところにも結構います。人間を見るとすぐ近くの石の下に隠れます。そっと石を持ち上げてすかさず手でつかむのがコツです。墨をぷっと吐きますがたいしたことありません。イカに比べりゃへみたいなもんです。で、小さくても手に巻きつきます。力はかなり強いです。あたまがこのくらいでも、えって思うくらい強いです。といっても、しょせん、小だこ。どうってことありません。で、脚の真ん中に口があります、そこに指をつっこんでペロッとひっくり返します。これで一丁あがりです。ゆでると時間の加減で固くなってしまいます。焼いて食べるのが、私は一番いいと思います。

海水浴の楽しみには、海での楽しみと、帰りに鮮魚センターに寄ってくる楽しみがあります。
鮮魚センターでは、是非、貝を買いたいですね。買って帰ったら、庭でバーベキューです。
はまぐり、生きたホタテ貝、これ、焼きますと、必ず貝殻の上の方に身がひっついちゃいます。なんでなんでー、と貝に聞いてみました。言われちゃいましたね、熱いからに決まってんだろがー!そうです。ちょっとでも熱くない方へってんで、上の貝殻に逃げます。おかげでおいしいスープは必ずこぼれちゃう。いい方法があります。貝をアルミホイルでしっかりくるんじゃいます。これで、貝の口があきません。おつゆもおいしくいただけるってわけです。

さざえの壺焼き、あれみなさんどうです?おいしいですか。実は、おいしくないという方が結構多い。なんでおいしくないかと言いますと、緑色のはらわたが苦い。観光地なんかで、さざえの壺焼きを焼きながら売ってますが、あれほとんどまずいですね。はらわたは食わない方がいいです。あれがいいって方は別ですがね。さざえをおいしく食べるには、軽く焼いた後、肉の部分だけ薄く切って、わさび醤油で食べるのがお勧めです。
海水浴で疲れて帰って来て、またバーベキューってのは結構大変です。そんな時の、簡単な貝料理はやっぱり酒蒸し。お鍋に貝類を全部入れます。上から日本酒を適当にじゃっとかけます。蓋をして10分。貝の口があけばOK。鍋ごとテーブルの上にでんっと置いて、てんでに好きなものをほじくって食べます。貝自体に塩味がありますから、そのままで充分おいしいですね。

いかがでしたでしょうか。今年の海水浴はぜひ、スノーケリングに挑戦して、貝料理も楽しんでください。お父さんの株が上がること間違いなしです。