今年も、村の会計係の、事務を受託している。

で、ちょっくら出納事務にやってきたのは、
最近、本人でなければ絶対に払戻してくれないという、
くだんの店だ。

うーむ、おいらだって、通帳には名前の出てこない、
下請け会計係だから、なんか言われそお!

で、身構えて入って行く。
 
おっ、奥でこっち見てるおっさんがいる。

やろー、来てみろ、こてんぱんにやっつけてやる!

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気配を察したか、何事もなく、済んじゃった。
ちょっと、がっかり。
 
閑話休題!

20年ほど前、いつものように、後ろの方の席で、二日酔いのとろんとした目をしていたら、窓口の女の子がやってきた。
「次長、はじめてのお客に、いろいろ因縁をつけられて困ってるんですが。」
見ると、うさんくさいおやじが立っている。

席を立つやいなや、窓口にすっ飛んでって 『△□×○・・・二度と来るなー!』 と、大声でどなった。
そのおやじ、しっぽを巻いて、逃げてった。 他のお客が、あっけにとられて、立ち尽くしていた。
意気揚々と自席に戻ると、ごっつい顔をした営業部長が言った。
 「もう少し、スマートな言い方できないのー」

そーだよねー、まるでやーさんじゃー!
でもね、理不尽や屁理屈と対決するには、正論を機関銃のような速さで、大声でまくし立てると、
あっという間に雌雄が決するということも、また、事実であります。  この癖、なおらん!