この秋はじめて、里も霧におおわれた。毛糸の帽子と手袋をして登校

 

・・・ あのー、奥さんの同級生で、長野県飯山市のハットリといいますが ・・・

電話の向こうで、ご主人がクスッと笑った。大島の同級生に電話したのだった。
前日から、電話しようかと逡巡していた。 万一のことを考えて、できずにいた。
そんなところへ、別の同級生から、伊豆大島在住の彼女は無事か、と問合せ。 

・・・ そうだ、オレは、死ぬまで同級会事務局。迷ってる場合じゃない ・・・

 

災害、事件があるたび、「原因」 が追及され、「責任」 に言及した報道がある。
行政、被害者、どちらの肩も持つ気はないが、
「ああ、またか」 「自分の命は、自分で守るしかないのさ」 と思う。

いかに責任追求したところで、死んでしまったらおしまい。
それよりも、生き残ることを考えたい。
太古の昔から、自分の命は自分で守る。家族の命は、おやじが守る。

もしかしたら、大丈夫かもしれない。じっとしてたら、好転するかもしれない。
誰もが、そう考えるし、そうあってほしいと願う。
が、結果は、必ずしも期待通りにならない。

判断の分かれ目で重要なポイント

危機は、刻一刻と迫り来る。座してるだけでは、好転しない。
避難したが何も起こらなかったら、「この行動が、いつか役に立つ」 と考える。
行動の結果、万一のことがあっても、自分が下した判断であれば、しかたなし。
他人(ひと)のせいだ、あのせいだと、恨みながらこの世を去りたくない。



・・・ 電話の向こうで ・・・ 彼女の元気な声が響いた。