ま新しい草刈機でノシバを刈る

・・・ ある時 ・・・ 子供の安全な遊び場がほしい、と、若い親達から声が挙がった。

たまたま道路工事で大量の残土が出た。 私は、父と世代交代して尾崎区の会計係だった。
総会で土地提供を呼びかけた。

・・・ いずれ田んぼより、平地が価値ある時代になります。 タダで埋め立て、できます。
   所有権はそのまま。 必要になったら、すぐお返しします ・・・

名乗り出る者は、いなかった。

・・・ 誰もいませんか? ・・・ そんなら、私が引き受けても、文句ありませんね ・・・

我が家の裏、1反歩(300坪)ほどの田んぼを埋め立て、地区の若者総出で整地工事した。
土建屋からノシバの種を譲ってもらって撒いた。子供たちが賑やかに走り回るようになった。
父がボソッとつぶやいた ・・・ 半分くらい、畑にして、使いてえなあ ・・・ 
聞こえないふりをした。 その父は、数年後、他界した。

・・・ 20年が過ぎた ・・・ 

その頃走り回った子の、そのまた子供が、ここで遊ぶ。