1972年(昭和47年) 大学最後の年

   北海道へ旅して

   旭川に実家がある同級生マエダ君と合流

   名寄市の ・・ マエダ君のカノジョの家、訪ねた

   平屋の小さな市営住宅には

   各戸 それぞれに煙突があって

   居間の、ブリキ製 薪ストーブで

   オガクズ固めた「オガライト」 焚き →
   晩秋の夜 ・・・ 戸外は(こご)える寒さ ・・・ 家の中で半袖だった


   カノジョの母親が言った 

   ・・・ 千葉県の親戚へ行ったらね、真冬の朝、マド開け払って掃除するんだよ、内地のヒトって、おっかしーよネ ・・・


   その当時、我が家はスキー民宿してたが、暖房といえば各部屋に電気コタツ 一つ ・・・ にもかかわらず

   部屋も廊下も、マド開け払って掃除 ・・・ せっかく 人いきれで暖まったのに、わざわざ外の寒さに戻しちゃった

   45年後の今朝 ・・・ 外温度 「−15℃」 ・・・ たぶん、昔とさほど変らない  ・・・ しかし ・・・

   外へ出る元気 ・・・ まったくナイ ・・・ マド あけて掃除? ・・・ 考えらんない

   ヒトは、家の中あったかい生活に慣れて初めて、暖房効果の貴重さに気付き、戸の()()めにも気を使うようになる

   オレ、中学生になるまで、土間の、真冬でも戸外と変わらない寒い風呂、平気で入ってた、当時の、爺婆も、しかり

   今 ・・・ 寒い風呂はヒートショックで危険 ・・・ とか言いつつ、ホンネは、寒さがイヤだから、ストーブで暖めてる

   ヒトの幸せって、なんなんだ?