山小屋の窓から眺める黒岩山は、額縁に入った絵のよう



昭和53年3月、猟師になって初めて、尾崎・シシ舞保存会メンバーでウサギ追いをした。
外様地区猟友会・会員と、日本IBMのなかむらさんも加わって、
猟師8名、勢子10名ほどが、スキーヤーを尻目に、黒岩山の尾根を目指した。

先行した猟師グループが、それぞれ100mほど間隔をあけて尾根に立ち、空薬莢を吹いて合図。
その音を聞いて、勢子グループが横に散開しながら、空き缶をたたいて急斜面を登った。

尾根に立って下を見下ろしていると、1羽のウサギが、まっすぐ、私目がけて走ってきた。
当時の自動式散弾銃は5連発。全部弾を撃ち尽くした。 が、当たらない。
さらに弾を込め ・・・ 8発目 ・・・ ようやく、当たった!

尾根からの帰り、初めてのカンジキ登山に疲れ果て、仲間に遅れること30分。
倒木に腰をおろしてひと休みしていると、ウサギが駆け上がってきた。 ★! また来た ★!
リュックに1羽、両手に2羽、肩に銃を背負って ・・・ よけいな荷物を作ったと悔やんだ。

10羽ほどのウサギが獲れた。野菜とウサギ肉を煮込んで大宴会をした。
男だけの料理は手荒だった。鍋には、ウサギの白い毛が何本も浮いていた。
旨いといえる代物ではなかったが、満足感が漂った。

新米猟師は、ケガの功名で、初陣を飾った。