あの、スキーヤー達は、どこへ?

スキー場に閑古鳥が鳴いて久しい。
それにしても、「リフト待ち2時間」なんて頃の
スキーヤー達はどこへ行ってしまったんだ?
と、不思議に思っていたら、

いたっ!
へーっ、こんなところにいたのか!

戸狩スキー場から、車で奥へ20分。
スキー場でもなんでもないところ。
村のはずれに、おびただしい路上駐車。
ナンバーを見れば、関東、関西、北陸、長野。
その数、ざっと50台。

向こうから、スキーを担いで歩いてくる。
見れば、頭に白いものが混じった
団塊世代前後とおぼしき、
小粋なおじさん、おばさんばかり。
首に巻いたバンダナがまぶしい。

私も、山スキーにシールを付けて、
踏み跡をたどる。
途中の小屋は、屋根まで雪の中。
しかし、凍み渡り(しみわたり)で快適だ。

「凍み渡り」とは、
冬型が緩んで気温が上がったり、
雨が降ったりで雪が溶けて多量の水分を含み、
それが夜間の冷え込みで、カチカチに凍って、
翌朝から昼ごろまで、雪上をそれこそ、どこでも
雪に潜らずに歩けることを言う。
2月までの厳冬期にはない。
3月、4月の楽しみだ。

登り始めて1時間。
すばらしい眺望が開けた。
ゲレンデじゃあないけれど、
好きなところを滑れる。

あれだけの車、
1台に2人として100人以上の人数。
どこへ行ってしまったのか、
あたりに人影は全くない。
つまり、山じゅう貸切。
うーん、こてらんねえ!

団塊前後の世代は、
まわりがすることは、なんでもひととおり
できなければならない、とみんながスキーをした。
その後、子育て、仕事でスキーから遠ざかった。

それから数十年。時間にゆとりができた。

また、スキーがしたい。
しかし、スキー場に、スキーヤーは少数派。
なんか服装がだらしないスノーボーダーが主流。
もう、おれたちが行く所じゃない。
でも、スキーはしたい。
で、こうなった、と推測する。



べつに、頂上を目指すわけじゃあない。
お茶したら、のんびり、ゆっくり下ろう。
そのあとは、
温泉につかって
ビールを クーッと!
ぷはー! こてらんねえ!