ヒマだから ・・・ 例の本をまた引っ張り出して、拾い読みする ・・・ そーいえば、我が家もそうだった

24畳の茶の間、畳を全部あげて、5mもある天井まで届くカイコ棚でイッパイになった

軽トラックなど無い時代 ・・・ オヤジとおふくろは、日に何回も、畑へ桑の葉採りに行った

大量のカイコが桑を食う音が、夜中も、サワサワとやかましかった

そのカイコ、マユを作る頃になると、桑を食べなくなり、首をもたげ、白かった体色が透きとおってくる

この時期は、大量のカイコ1匹ずつ異なるので、家中総出、一匹ずつ手でつまんで繭作り場(↑)に移す

小学生も貴重な労働力だった ・・・ そんな忙しいある日 ・・・ 父がニコニコしながら桑畑から帰って来た

ホレ、と手渡され ・・・ 手のひらで震えてる ・・・ ネズミ? みたいだけどちょっと違う、ナニコレ? 

コーモリの仔だった ・・・ 桑の葉の裏にぶら下がって寝てた ・・・ という ・・・ へえーっ!初めて見た

貧しかったけれど ・・・ ココロ豊かな、昭和30年代 ・・・ 本を閉じ、目も閉じ、一人 ホンワカする