新緑の山を見て ・・・ そーだ、「あそこ」 はどうなった? ・・・ と、麓から車を走らせる 
やってきたのは、黒岩山の裏 ・・・ 桂池 ・・・ 一番奥 ・・・ やっぱ、まだ雪がある!
数十年前の記憶をたどる ・・・ あのとき、池の奥には ・・・ 雪があったっけ?



その日、小学校からの同級生 「ゆきひろくん」 と、長靴を履いて、あの奥へ分け入った.
雪の中に、ぽっかり湿原が広がって、今を盛りと、純白の花が咲いて ・・・ 水芭蕉が満開だった。
想像もできない、こんなところに、こんなんがあるんだーっ!と大感激して、シャッターを切った。

彼と何を話したか、まったく記憶がない。それより前も、後も、二人で会った記憶もない。
しばらくして、彼は突然亡くなった。その後、「あそこ」 へは、一度も行ってない。
この時期が来ると、フッ、と思い出す。・・・ それにしても、親子の記憶が重なる、不思議な池。