日の出から30分後、千曲川の谷間に、川霧がたちこめる。
1時間前、まったく霧なし。そして、午前10時頃、霧が晴れる。この季節、よく晴れた日の特徴。

この霧こそ、450年前の10月、上杉、武田両軍が川中島で目にした、因縁の霧。
信濃の国は、いずれの本拠地でもありませんが、越後に近い北信では、比較的 「謙信びいき」
頼山陽の詩 『べんせい(鞭声) しゅくしゅく(粛々) ・・・ 』 を謡いこんだ 「霧の川中島
(作曲:古賀政男) が、よく知られている。

これに対抗して作られた、と言われているのが 「武田節」 (唄:三橋美智也)
信玄の側室=諏訪頼重の娘=武田勝頼の母、の里、諏訪地方で好まれている。
北信・飯山市在住の私ですが、南信・茅野支店勤務時代は、宴会の度、武田節を熱唱して、
「信玄びいき」 を演じたものです。

狩猟解禁の11月、早朝の千曲川、晴れれば、この霧が立ち込める。
舟で出猟する私は、岸から撃たれないように、すっかり霧が晴れてから、出かける。
「ずくなし」 だけじゃないのは、この霧を見ていただけば、納得していただけるでしょうか?

  撮影:関田峠・茶屋池付近 標高1070m 正面の山は毛無山(1649.8m)
       霧の手前の平地は、通称 「うわだん(上段)」 白くたなびくのは、野焼きの煙。